ようこそ! ソウルのパラム~風~ 2024年12月22日(日) 02:18 JST

∞∞ ヒストリー ∞序∞

  《A》
日本語を一緒に勉強していた方々の中で
最年長の方…1936年生まれのご婦人がいらした。(#)
2007年雪がまだ残る早春のある日、
私はそのご婦人からある依頼を受けた。
日本語で書かれた原稿の校正であった。

 《B》
原稿というのは…そのご婦人のお義父さま(舅)の
『 自分史…ヒストリー 』であった。
伺うところ、お義父さまは学者先生で…
ご自身の過去を [ 日本語 ] と [ 韓国語 ] でノートに綴っておられ
それを製本しようとお考えになったとの由。
コピーされた数枚の原稿をお預かりした。
ご婦人の年齢から推測すると~お義父さまは、
いわゆる「日帝植民地時代(1910~1945)」に、
学童→中高生→大学生→青年時代を送られている。

  《C》
その原稿は、時間をおっての内容ではなく、人物の名前を挙げて
その人とかかわった時の事件、感想、
思い(哀しさ・怒り・失望・落胆・喜び)が切々と綴ってあった。
最初は丁寧に校正していたが…その校正した文を読み返してみると、
作者の思いや感情が半減しているのではないか
という気持ちになってきた。
確かに…ん?…むむむ?という表現はあるけれど、
内容理解に支障はないと思った。
私は校正をやめて、理由を伝えて、そのまま原稿をお返しした。
そのご婦人は、ほほえみながら静かに頷いて下さった。
ふと、私の両親は…子供時代・小中高生、学生、独身時代を
どのような感性で過ごしたのだろうか~と考えた。
是非とも聞いてみたいと思った。

『若き父母の生きた時代』この内容は、この1年半の間…温めてそしてやっと~~blogに載せようと思っていた矢先に!
同じ事を考えていた者がいた

 《D》
2009年7月、私は1ヶ月療養帰国していた。
7月22日夜、NHKのある番組が 私を驚かせ、くぎ付けにさせた。
   【ファミリー ヒストリー】
ひとりの著名人をゲストに迎えて、
その人の父母や祖父母の生きた時代を徹底的に取材し、
それを通じてゲストも知らなかった事実を明らかにしていた。
ゲストは初めて明かされる事実に驚き
自らのルーツへの思いを語る……というプログラムであった。

徹底的な取材は出来ないケド…
  いま両親が元気な時に聞いてみようかなぁ~??
私の知らないあなた方が生きたその時代を教えてください。
学童疎開したの?どんな中学高校生活だったの? 
             その時代,デートはどこへ行ったの?

 

(#) 後に知ったのだが、そのご婦人は、
ソウル大学校で、初めての女性主席卒業者であった。
当時、主席卒業者は 大統領から記念品の腕時計を授与されたそうだ。
しかし、紳士時計しか準備されてなく…
紳士時計をお受けになったというエピソードをおもちの方だった。
現在、ソウル大学名誉教授で、翻訳、講演会など
多忙な日々をおくられている。
今もお付き合いがあり、先日、お食事の招待を受けた。