渇き(かわき)
- 2009年6月28日(日) 22:47 JST
- 投稿者: ほほえみyoung-ja
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2007年、ソウルにきて2年目に入った頃、
…私の中で何かが渇いていた。
この<渇き>は何だろうかと、思い出すたびに考えていたが~
しばらく答えが見つからなかった…。
☆
2007年12月…私がソウルで好きな場所のひとつである
「徳寿宮」(ソウル市庁広場の向かい側にある宮殿)
に行ったある時、広告フラッグ(旗)がなびいていた…
フラッグは徳寿宮の南壁の坂道に沿って続いていき~
[ソウル市立美術館]がその終着点であった。
《ゴッホ展》
私は…フラッグが導くまま~チケットを買い→美術館へ入った。
冬休みに入っていたので…子供から大人まで満員御礼状態だった。
こういう時のひとり鑑賞は楽で…行ったり来たり~
過ぎたり戻ったりの繰り返しをしながら約1時間程で
展示場を出て~ロビーの椅子に座った。
少し…例の<渇き>が落ち着いた感じがしたが、
何かが物足りなかった、鑑賞後の満足感が全くなかった。
☆☆
私と美術展との出会いは…小学校低学年の時、
母に連れられて行った京都市美術館の「ルノワール展」だった。
それ以上の記憶はないが…我が家の壁に
ルノワールの「青い帽子をかぶった少女」
の絵画ポスターがずっと掛かっていた。
それから…ジャンルを問わず~
気になる展示会・展覧会・××展によく行っていた。
が…電車の吊り広告や新聞内の広告などから
あふれるくらいの情報を見て……
まぁ~た…ルーブル展か~大英博物館展か~国宝展か~
私の中で飽和状態化し 足が遠退いていった…。
☆☆☆
展示会に行ったら~必ず確かめるのが…
主催、後援、協賛、協力等の会社、そして
大使館・文化庁・外務省が絡んでいるか否かである。
会社名で時世を感じる事ができ、面白い。
日韓を比較してみると…企業の数や経済力の差は明らかで、
それゆえに規模と内容の差ができてしまう。
また日本は、梱包技術、配送技術は世界一だと思う。
そして…展示会収益を左右する観客動員数、
日本人口と韓国人口(日本人口の45%)の差もあるが~
中産階級の厚みのある日本の収益力はかなり大きいと思う。
(経済力の差もここにあるのだが…)
今もまだ、美術品盗難があとを絶たない中で…
国家の信頼度が高い日本で、門外不出だった美術品が
見られる事はホント~に!素晴らしい事だと思う…
この部分を私は日本を離れて改めて知った。
☆☆☆☆
2008年世界金融危機の為か?
全くと言ってよいほど韓国で展示会が無かった。
しかし2009年、韓国は頑張っている。
①クリムト展
②ファラオとミイラ展
③ルノワール展
上記全て初来韓展示会だという。
出品作品数や内容…鑑賞満足感…はさておき、見に行ってきた
(①②はコメントを控えさせてもらう。(><))
③6/25に行った「ルノワール展」は良かった。
目玉作品はオルセー美術館などからの大作ものだが、
パリ旅行で観たことがある為…むしろ私は…
個人所有の小作品を楽しく鑑賞した。
日本の地方美術館からも二つ作品が来ていた。
その中でも、米国から来ていた絵画が私の心をとらえた。
☆☆☆☆☆
私が上京する理由の一つに<鑑賞>がある。
2009年5月の時は…
東京国立博物館《国宝・阿修羅展》に行ってきた。
帝国劇場で一期一会の出会いのご婦人が
薦めてくださったからである…。
関西人の私が~奈良興福寺の仏像を見るぅ~!?
観たことあるのに~?(~ヘ~;)
上野公園内…国立西洋美術館のルーブル展を横目に…
国立博物館に開館時間に到着したら~40分待ちであった。
とても暑い日で、日傘の無料貸出もあった。
とにかく! 素晴らしかった!!!!
ほとんどの仏像様がショウケースなしで…
手が触れられる位置にあり、古(いにしえ)の…
何というか…迫力を肌で感じられた。
《国宝・阿修羅像》
初めての出会いではないのに…心を奪われた…。
同じ空間にいて、約1300年前の息吹きを感じた。
その様に感じさせる展示構成も素晴らしかった。
360度からなる拝観・照明の色と角度・壁の配色・室内の低温度
…など、お堂での拝観とは全く違って楽しめた。
感動が少し落ち着いた時、防犯ビデオはどこにあるのかとか~
阿修羅の警備員は何人いるのかとか~
照明の数はいくつあるのかとか~
見ていたら~1人の人物が目に止まった!
観客はどうしても、足を止めて鑑賞したい、
でも人の流れは必要である。
阿修羅像の内輪を ひたすら歩いて
人の流れを促(うなが)している人がいた。
静かに、優しく、そしてゆっくりと…
阿修羅像の内輪を歩き続けていた。
彼が一周回り終えるのを見届けて…
ご苦労様…と呟き、阿修羅像を後にした。
博物館を出て…阿修羅展最後尾の時間待ちは90分であった。
のどが渇いて上野公園内の野口英世像前の木陰で
缶ジュースを飲んだ。