沈まぬ太陽
- 2009年3月16日(月) 04:34 JST
- 投稿者: ほほえみyoung-ja
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<出合い>
帰阪ごとに必ず行くBarがある…。
2008年師走のある日にいった時、お店の常連の方と
本の話題の中から~山崎豊子著「沈まぬ太陽」を
是非読んでごらんと薦められた。
プラス、奥田英朗著「伊良倍一郎シリーズ」と。
お恥ずかしきながら…どちらも初めてきく作品名だった。
東野圭吾作品の傾倒からの脱皮を考えていた矢先の
出合いであった…。(参照:時の人~Ⅰ~《東野 圭吾氏》 )
<購入から完読まで>
2009年如月、書店にいって初めて!
三部五巻からなる大作である事を知った…。
まずは、三巻購入したものの…完読する自信はなかった。
そうそう!伊良倍一郎シリーズも2冊購入し~渡韓した。(^-^)
読みかけの東野作品「時生」「ダイイング アイ」を読み上げて…
[ 沈まぬ太陽 ] 第一巻を手にした…。
そして、予想以上の勢いでページが進んでいった…
時折「伊良倍シリーズ」を挟み読みしながら (;^_^A…
一週間で三巻読み終えた。
あぁ~(><)なぜ全巻買わなかったのかを後悔した。
ソウルで輸入本を買うと、最近のWon安で高く買わねばならない。
でもその時の私は、とにかく早く読みたい一心で苦心して購入した。(注:1)
そして、第五巻のP386を読んだとき…私は思わず声をあげた!
「えっ?ええぇっ~!(☆o☆)」
2月28日の昼下がり…全て読み終えた…。
余韻というか~放心状態というか~しばらく目を閉じ
心臓の高鳴りが静まるのを待った…。
<あとがき>
実在の人物を主人公にした小説ではあるが
3年間の綿密な取材、5年を要した執筆期間は…
ドキュメンタリーに匹敵する程の迫力があった、
いやそれ以上かもしれない。
国営から半民営になった航空会社内が舞台で…
非情な会社の対応に屈しない主人公の,会社員生活をベースによって浮き彫りになる人間関係,
リアルな世界情勢、政府対応、官僚社会との癒着など
現在にも置き換えれそうな内容であった。
何より…ひとり異国にあって、孤独感の中で~
いかに自分を失わないようにしなければ…という主人公の姿に, 自分を重ねて…涙した。
また御巣鷹山の墜落事故の記憶をたぐり寄せる機会も得た。
チケットのからくりも本来知っていた事と一致していて面白かった。
主人公のモデルになった方はすでに故人となっていた。
彼のインタビューの言葉から…
「冷静な頭脳と温かい心」
「別の角度から日本社会を、日本人をみる必要性」
「仲間がいたから頑張れた」
[ 沈まぬ太陽 ]
ドラマ化、映画化は不可能だろうか?
…様々な圧力があって、不可能かもしれない…。
今、他の山崎豊子作品に接したくてたまらない。
(参照:時の人…Ⅴ…【山崎豊子氏】)
(注:1) 韓国では文庫本はないと言っても過言ではない。
原則ハード本である。
日本の多様な文庫本を輸入はしているが…
読みたい本が必ずあるとは限らない。
また輸入日によって同じ本でも値段が異なっていた。
今回第四巻が2冊あり¥667が8,340Won(2007・9輸入)
もう1冊は10,020Won(2008・10輸入)。
勿論8,340Wonで購入(^.^)b